精神科慢性期治療

精神科慢性期治療とは

精神科慢性期治療病棟では、経過が長い患者さんが入院されています。
病状や生活能力に合わせたケアを行うことでより良い生活が送れるような支援をいたします。
例えば、作業療法・理学療法・薬剤療法に加えて、様々なプログラムに取り組んでいます。その中で、早期に家や地域などで生活を送れるよう、集団での生活技能訓練(SST)に力を入れています。
そして多職種による連携のもと退院支援に取り組み、患者さんと共に次の生活の場を見いだせるように環境づくりを行っています。

精神科慢性期における治療抵抗性統合失調症治療

今までの抗精神病薬ではなかなか効果が出なかったり、副作用が強く治療が進まない方に唯一効果が期待できると言われている薬がクロザピンというお薬です。
私たちの病棟は、クロザピン治療を専門とし、クロザピン院内認定看護師と病棟スタッフが一丸となって、副作用の早期発見や対応を行い安心して治療を受けられるように支援しています。

認知症治療

病棟には認知症を持ち、日常生活の援助が必要な方もいらっしゃいます。
BPSD*の発症を防ぎ、その人らしく生活できるように認知症の院内認定看護師を中心に支援しています。
例えば、作業療法・理学療法・薬剤療法に加えて、認知症プログラムを行っています。
このプログラムでは、「みんなでいっしょに楽しみ、実りのある時間に」をモットーに、懐かしい遊びや昔ならではの生活の知恵などを思い出し体験をすることで、心を明るくするだけでなく、脳の活性化や身体機能の維持などを目指しています。
(*BPSDとは認知症の行動・心理症状などの周辺症状。暴力や暴言、徘かいなどの行動症状と、抑うつ、不安、妄想などの精神症状のこと。)

退院支援

退院支援とは、入院中の患者さんが安全で安心な療養を継続できるよう、退院先の選択や準備、退院日の調整を行うことです。
退院後も、精神疾患に対する継続的な治療が必要となります。
患者さんの夢や目標、強み(ストレングス)を引き出し、地域医療と病院をつなぐための調整を行います。
その中で、リハビリや通院、在宅サービスの利用など、患者さんが在宅で生活できるかどうかの課題も検討していきます。
主治医や看護師、リハビリ部門、管理栄養士、外来看護師などが関わり、患者さんそれぞれの背景、夢、ストレングスに合わせて入院中から地域での生活をイメージした訓練が行われます。

精神科慢性期病棟「南2病棟」の紹介

医師、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士、薬剤師などが、薬物療法の適切な管理、安心・安全な環境の提供、こころのケア、日常生活の援助、自立への支援をおこないます。

看護師

私たちは、明るくゆったりとした雰囲気の中で、機能維持に向けた支援を行いながら、患者さんの日常生活をサポートしています。
また、私たちの病棟は、入院時から退院までに一人の受け持ち看護師がつき、患者さんのニーズを細やかに把握してより良い看護を提供します。
患者さんとしっかりとコミュニケーションをとり、相談や不安に寄り添い、最適なケアを提供することで、患者さんが自信を持って生活できるよう支援しています。
私たちの病棟は、患者さんの強み(ストレングス)にも注力しています。
患者さん一人ひとりに合わせた看護を提供し、患者さんが自己肯定感を高め、より充実した生活を送れるようにサポートしています。

精神保健福祉士

生活や療養についての心配ごとを解決するお手伝いをします。
患者さんの希望を尊重し、退院について共に考えます。さらにご家族の意向なども大切にします。そして退院後の生活が充実できて、必要な治療が続けられるように目指します。そのため、患者さんを中心に関係する地域やご家族、医療ときめ細かく連携しながら調整を行います。

臨床心理士

病気になってもその人らしく過ごすことで、心の安定につながることが出来るようサポートしています。心理検査や心理療法を通して、共感的に理解できるようにつとめ、精神的苦痛の緩和やこころのケアに取り組みます。

薬剤師

社会復帰を目指す慢性期病棟だからこそ、薬剤の必要性について考えています。クロザピンの治療もその選択肢の一つです。お薬のことなら何でも聞いてください。一緒に考えます。

プログラム

病気を理解し学習していくことはとても大変なことだと思います。私たちは、患者さんと同じ目線にたって考え、以下のプログラムなどを実現しています。

  • 認知症の方々を対象とした憩いの場を提供するプログラム「いなほ会」
  • 社会復帰を目指す方々を対象としたSST
  • 電車の乗り方、身だしなみなどを体験・学習するプログラム「きらきらしんぼり川」
  • 治療抵抗性統合失調症の患者さんを対象とする病気をいちから勉強する疾病教育
  • 体力向上を目指したウォーキング「さわやかウォーキング」
  • 中庭「こもれび」での園芸

入院生活の流れ

6:00~7:00

起床

7:30

朝食

9:10

朝の会・ラジオ体操

9:30

作業療法
火曜日・金曜日は入浴
水曜日・日曜日はシーツ交換

10:00

お茶の時間

11:50

昼食

13:00~17:00

各プログラム・集団作業療法・SST(集団生活技能訓練)

15:00

お茶の時間

17:50

夕食

21:00

消灯

お問合せ先

さいがた医療センター 地域医療連携室
TEL:025-534-6735(地域医療連携室直通)
FAX:025-534-6851
受付時間:9:00~17:00(土日・祝日を除く)